ACcess -焔-
君は顔を覗き込んできた後、苦笑いをしながら手を伸ばしてきた。

自分はそれに答えるでもなく、ただ微笑み返しただけだった。
「忍、行こう。」

君は肩をすくめて
「冷たいなぁ…。」
と握手を求めるアクションをした。

自分はそれを直ぐに払い退けて背を向けた。
「忍。」
「なんスか?」
「まだ昼の事、許した訳じゃないから。
 調子乗らなくていいからね。」

とりあえず釘を刺す。
こうでもしないと君は図に乗るから。
「はいはい。ごめんってば!」
「じゃあ、戻るよ忍。」

そして君の返事もロクに聞かず、自分だけアイテムを使ってダンジョンから脱出する。


目を開けると、目の前には真っ暗な森が広がる。
地下の暗さと差ほど変わらない。
まるで自分の心の中を覗いているかのよう。

こんなのどうやって作っているんだろう。
どうしてここまでしてくれるのか。
まぁいいだろう。
「ドンクレー。」
君もやって来た事だし、テクノ社にクレームを出さずに済みそうだ。


君が隣に来ただけで、世界は少しだけ華やいで見えた。

気のせいかもしれない。
いや、かもしれないじゃないな。
完全に気のせいだ。

君を隣にして歩く。
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