百花繚乱〜暗黒街花屋敷炎上絵巻〜
人間や建造物を消してしまう………?


「孤児が増える原因もそこにあるらしいよ。まぁ良くも悪くもスカウトが来たらちゃんとよく考えた方がいいよ!工作員になれば衣食住の保証はある。けどその代わり自分もいつ死ぬかわからない」
「…………へぇ……。面白いこと知ってんだな……」
「なんだよ。今の話、結構食い付いた?」
「この生活にも退屈してきたとこだからな。まぁお呼びがあれば行ってみてもいいかな!衣食住にも困らないんならなおさらだ!」
「……………そうか。お前ならそう言うと思ったよ」
「は?」
「お前には素質がある。一緒に来てもらおうか?」
「なんなんだよ?坊っちゃんが偉そうに……」
「お前をスカウトしに来た。ゼファ=アリシューザ。我が軍は貴方を喜んで迎えましょう」
「お前……ッッ!騙したな!?医者の卵じゃねーのかよ!?」
「騙してないよ?それも本当だから。二足の草鞋ってやつ?」
「…………なんだとッッ?」
「何やってんだよ!早く行くぞ!?」
「ちょっと待て!」
「何?」
「……一晩時間をくれ」
「いいよ。一晩だけね。じゃあ、またここに迎えに来るよ」
「わかった……」


早々から俺はヴァリーフォージから目をつけられてたわけた。このアレクトの話を聞いて、なんとなく一族を殺した奴等は工作員とやらではないかと感付いた。たぶんこの段階でまだ東雲を名乗っていたら、スカウトどころか殺されていたかもしれない。 敵の中に潜入すればいずれ知りたかった情報は手に入るだろう。自分も工作員になってしまうのが一番の近道だと判断した。 正体がバレるまでは……。いや。
バレなきゃいいんだ。 仇さえ討てれば気が済む。やる事やってしまえばその後はどうなってもいい。今さら死を恐れるまでもない。



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