約束の誓い
『美雨へ
昨日は本当にごめん。あたしね、美雨のことたくさんけなしちゃった。“あんたさえいなければ”って言ったし。ごめんなさい。どうかしてたよ…。
自分が振られたからって八つ当たりして…。あたしって最低だよ。美雨は何も悪くないのに。今さらだけど、美雨と仲直りしたいんだ。
美雨を失ってから美雨の大切さがわかった。美雨と支えあって、笑いあって。そんなあの頃に戻りたい。軽い気持ちじゃないよ。美雨がいないと絶対楽しくないよ。
美雨に許してもらえないかもしれない。けど、今のあたしができることは謝ることだから。本当にごめん…。
美雨の返事ずっとまってます。    杏』

杏苦しめてごめんね。
それから、私も杏に手紙で謝って仲直り。


ある子から、聞いたすごく嫌な話。
杏と剣が付き合ってたのは、杏は本気だったらしい。けど、剣は本気じゃなかったらしい。
私に近づくために、杏と付き合ったらしい。
剣が私を好きなんてありえない…でも…杏を利用してたってことだよね。
…剣……最低…そんなに軽い男だったの?



大切な杏を苦しめた。


剣が許せない。
だましたなんて。

でも、噂だからもしかしたら誰かの勘違いかもしれない。
剣に聞かなきゃ。

「剣!!」

「???」

「あのさ、杏と付き合って杏を利用してたって本当?」

「半分は本当」

「半分?」

「残りの半分は本気。本気で杏の事好きになろうと思った。でも…」

剣は少し悲しそうな顔をしてた。

「でも俺やっぱ美雨のこと好きだし、でも海斗や拓真に勝てる気しなくて…」

弱虫なだけじゃん!!逃げてるうえに、杏を利用して。

「ふ…ふざけんな!!!杏の気持ち利用したのには変わりないやん!!剣が…剣がそんな人やとは思わんかった!!!」

「ちがう」


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