詩をウタう
貴方へ.【for藤乃様】
『貴方へ.』
あの頃のあたしは
愛されることも
愛することも
解らなかった
だけどずっと願ってた
その気まぐれな唇や
あの優しすぎる声が
あたしだけのものに
なれば良いのに
その力強い腕や
あの可愛すぎる横顔が
あたしのためだけに
在れば良いのに
哀しいあたしの
小さな願いは
この広い空に消えた
それでも海はウタってた
あたしを孤独にさせないように
あたしの世界を壊さぬように
だけど今
あたし幸せ
貴方ではない大切な人に抱かれて
貴方が居ない大切な景色に溶けて
笑ってる
だから貴方も
笑ってて
そしていつか再会したら
最高の笑顔で言うよ
「あたしもう、寂しくないよ」