LAST LOVE -最愛の人-
結局、試合は2-1で敗北。

しかし拓弥のアシストで得点が決まったことから、活躍は認められ、そこから部活での評価はぐんぐんと上がり出した。



充実した時が流れるのは本当に早かった。

告白するきっかけも勇気も無いまま時は経ち、卒業。



後悔が無いかと問われれば、全くゼロなわけでは無い。
しかし『そんなものなのだろう』という諦めの気持ちの方が強く、さほど気に留めていないつもりだった。



高校一年のゴールデンウィークに、その気持ちは見事綺麗に打ち砕かれるのだが。


今でも鮮明に思い出される。


彼女と隣を歩く、彼氏であろう人物。
二人仲睦まじく街行く姿を目にして、酷く衝撃を受けたこと。



彼女を好きだと思った自分。
何もできなかった自分。
否、何もしなかった自分。

後悔の念が堰を切ったように激しく流れ出した。






もし次に『恋』をしたならば
自ら積極的になろうと誓った。






―――自ら動かなければ、恋愛は始まらない。




それが俺の恋愛のルール。


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