桜咲く、恋



しん……と静まっている図書室のなかで晴希はギュッと私を抱きしめた。



でも、抱きしめられたのはほんの一瞬で私の鼓動だけが煩かった





「紗紀は好きな奴とかいる?」




晴希が私の瞳をみて言った。




『いる…よ。晴希は?』





私、変なこと聞いちゃったかも…

これで“いる”って言われたら失恋同様だよ。







「―…紗紀」




『へぇ?』




晴希はいままで見たことがない真剣な表情だった。




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