『好き』を教えて
何だかんだで一日を終えた俺は車のキーを振り回しつつ駐車場へと向かう。

やっぱ店長がいると早く帰れるってのはいいよな。

ライトアップされて明るい店を横目に車に手をかける。

その時。

携帯の着信音が響いた。

ディスプレイに表示されている名前は『高野真由子』。

高野から電話なんて今まで一度もない。

一応メモリーにバイト達の携帯番号を入れてあるが、俺が高野にかけたのは元カレと修羅場ってないか気になったあの時だけだ。


しばらくディスプレイを眺めていた俺は通話ボタンを押した。


「高野?」
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