『好き』を教えて
本当にこれでよかったのかな…。

今さらだけど不安で押し潰されそう。

もうすぐ木下さんがここに来る。

ちゃんと言えるだろうか。
自分の気持ちを。

言ったらどうなるんだろう?

ああ!怖い!

今すぐ家を飛び出して逃げたい衝動にかられるけど、逃げたからって何になる?

自分でもどうしたいのかわからずに、メチャクチャな思考だけが頭を廻る。




唐突に鳴ったインターホンに飛び上がるぐらい驚いて心臓が口から出そうになった。

来…た!

ギクシャクと玄関に向かいドアを開くと木下さんが立っている。

「どうぞ…」

中へと促すと、木下さんは少し躊躇って私の後に続いた。




「お仕事…お疲れ様です…」

どう切り出していいのか見当もつかない私の言葉に木下さんはびっくりしたみたいで苦笑した。

「…それで、どうしたんだ?」

いきなり本題を突かれて私は膝の上でギュッと拳を握った。
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