私こそ光る☆君 ~ライブツアー編~
「志乃の鬼!!」


頬をプクッと膨らませて志乃さんを睨んでいる。

社長、形無しだ。


「これに懲りたら職場に妙なものは持ち込まないことね」


志乃さんは鬼と言われても眉一つ歪めることなく、平然としている。


これではどっちが姉でどっちが妹か分からない。

いや、どっちが兄でどっちが妹かだ。



「さてと、みんなごめんなさいね。

ウチの兄が馬鹿なことに付き合わせてしまって。

ツアー先まで来るなんておかしいとは思ってたんだけど」


「いえいえ、大したことありませんから」


さすが紫水。

さっきまでそこら辺に汗だくで這いつくばっていたのが嘘のように爽やかスマイルを浮かべている。


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