私こそ光る☆君 ~ライブツアー編~
「食べてる時間がないのよ。

今すぐ移動始めなきゃ仕事に間に合わないもの」


「そんな~、僕このホテルでの朝食ずっと楽しみにしてたのに☆」


……グスン。


洟(はな)をすする音がした。

由依の大きな目が潤み、今にも涙が零れ落ちそうになっている。


「メシくらい我慢……『何とかならないんですか?』


これでは由依がかわいそうだ。


「どうしようもないわ。

仕事に穴を開けるわけにはいかないもの」


眉を寄せて困った顔をする志乃さん。


「ふぇ~、ヒカちゃんっ☆」


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