私こそ光る☆君 ~ライブツアー編~
1stライブ
カツ、カツ、カツ、カツ……。
「おい、いい加減テーブル叩くその手を止めろ」
『ごめんっ』
遥に注意され、手を止めるとすくっと立ち上がった。
今度はなんだかじっとしていられなくて、部屋の中をうろうろと行ったり来たりする。
「おい、うろちょろすんな。
目障りだ」
『だって……』
「まるで妻の初産を待つ夫のようだな」
『なっ……』
私と遥のやりとりに口を挟み、私をからかう紫水。
“落ち着きがない”
彼はそう言いたいらしい。
そういう紫水は至って涼しげな顔で椅子に腰掛けている。