私こそ光る☆君 ~ライブツアー編~
それで終わりかと思いきや、今度は紫水が進み出てきた。


「これは僕から」


そう言って差し出されたのは、上品な装飾の施された箱。

お礼を言って受け取り、蓋を開けると目に入ったのは腕時計。


『こんな高価な物、もらえないよ』


文字盤にあしらわれた宝石がキラキラと輝いている。

豪華なのに成金趣味っぽく過剰に派手なところはなく、上品なデザインなのがいかにも表・紫水らしい。

すごく高そうだ。


「いいから受け取って。

君のために選んだのだから」


『で、でも……』


紫水がタダでプレゼントくれるなんて何だか怖い。


まごまごしていると紫水が腰を屈め、下から顔を覗き込んできた。


< 185 / 212 >

この作品をシェア

pagetop