私こそ光る☆君 ~ライブツアー編~
どうしよう……。

反撃の糸口が見つからない。



ついに、遥&清龍ペアマッチポイント。

こちらは砂まみれの汗まみれでどうにもならない。



もう無理だ……。



諦めかけていたその時……?




「カナちゃん、どいてっ!!☆」


『えっ!?』


頭上からの声に反射的にわきへどく。

すると、すぐにバシッとビーチボールを打ったとは思えないほどの重い音がして相手コートにボールが叩きつけられた。

スッと音がして由依が綺麗に着地する。


『由依すご~い!!』


興奮して叫ぶ私に由依はニッとVサインをしてみせる。


「ハルちゃん、僕もいるってこと忘れないでね★」


いつもと変わらない、可愛らしい口調。

だが、心なしか黒いオーラが漂っているように見える。


(今、あいつ跳んでる間にキラーンって目が光らなかったか?

それから別人のような殺気をこめてアタックしてきたような…… ←by 遥)


由依の変わり様を目の前で見せつけられた遥は軽く身震いする。

見間違いではない。

にわかには信じがたいが、決して見間違いではなかった。


知らぬが仏とはまさにこのこと。

由依の変化に気づいてない私は、ただキャッキャッと喜び騒ぐだけ。


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