私こそ光る☆君 ~ライブツアー編~
「やられたな……」
紫水が難しい顔をしてつぶやいた。
『えっ?』
「奴らに一杯食わされた。
あいつら最初からこの勝負するつもりで準備してきたんだよ。
チッ、誰だ、こんな手に引っかかったのは」
『あんたでしょ!!』
「「お前だろうが!!」」
「し~ちゃんでしょ!!☆」
椅子にどっかりと腰を下ろし、偉そうに足を組んでさも自分は知らないみたいな言い方をした紫水はメンバー全員に一気に非難を浴びせられる。
「さてと、お次はこっちの出番だ」
非難の声は聞こえなかったふりをして立ち上がる。
「あれに対抗するいい策でもあるのか?」
「はい、はい、はーい☆
てゆーか、僕らは何やるの?」
そのままステージに出て行こうとする紫水の背中に遥と由依が尋ねた。
「何するって歌とダンスに決まってんだろ?
策は……後のお楽しみ」
少しだけこちらを振り返った紫水の口角がつり上がっているように見えた。