メガネの裏はひとりじめⅠ
柔らかい表情のまま、あたしの言葉を待ってくれている道留君をじっと見つめる。
かっこいい、って感想は置いといて。どういう言葉を使うべきか…。考えながらじーっと道留君を見つめ続けるあたし。
『(おどけるのは絶対になし、だから…、)』
「(可愛いけど、んでそんなにガン見すんの!?俺、顔になんかついてんのかな…。)」
ぺたっと自分の頬っぺたに手のひらを添えた道留君もかっこいい。…じゃなくて!考えろ、可鈴。
じーじーっと、ぺたぺた何か確かめるように手を顔に這わせていく道留君を見続けること数十秒。
「…あの、さ。可鈴?」
考えても考えても上手な言い方は出てこなくて、道留君の美顔を見続けるほどかっこいいって感想が増していく。むちゃくちゃかっこよすぎる。
そんなむちゃくちゃかっこよすぎる道留君に呼ばれてハッとするあたし。
道留君は困ったような苦笑を浮かべていた。
「俺、顔になんかついてる?」
『え、えぇ?何で?』
「だってすんげぇ見てくるから…。」
『あ…。そ、それはねっ。』
「それは?」
こてん、と首を傾げた道留君に口をむぐっとつぐむ。