メガネの裏はひとりじめⅠ



分かってる、けど、今は道留君にごめんなさいって謝る気持ちの方が強いからそんなのどうでもよくて。



道留君もこんな高校生にもなって子供みたいに泣くあたしなんかと一緒にいたら恥ずかしいのに。



まるでお構い無し。泣きながらごめんなさいって謝るあたしに「可鈴って素直すぎるよなぁ。」なんて、笑う。



「意地悪のつもりなのにすんげぇ罪悪感。」

『ぐすっ…。ふぇ…?』

「…。…チュウすんぞ。」

『ふ、え、ちゅちゅちゅ、』

「ねずみ?(笑)」

『…っや、だ、』

「酷ぇ。やだとか言うなっつの。」



クツクツ。楽しそうに喉を鳴らしながらあたしのおでこを指でつんとつつく道留君。



泣き止んで、その代わり道留君のチュウすんぞ発言でかぁっと真っ赤なりんごになるあたし。



最早二人だけの世界。周りからの視線がグッサグサ突き刺さっているのにも気づかない。



迷惑者続行中ってところか。周りの人達にはかなり申し訳ない…。なーんて思いながらも、瞳には道留君だけ。



「ペンギン見に行く?」

『(っ、道留君がペンギンって…!なんか可愛いよっ。)』

「ん?」

『い、行くっ。』

「おし。んじゃ、行こ♪」



無条件に向けられる素敵スマイル。キュンとなりながら大きな手と手を繋いで。いざ、ペンギンに会いに!…って、やっぱ道留君可愛いっ!


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