メガネの裏はひとりじめⅠ



さも当たり前でしょ?食えねぇなら頼まねぇっつーのみたいな表情で可愛らしく首を傾げた道留君。



信じられない、って言葉しか出てこなくて。開いた口が塞がらないあたしは無知なんだろうか…。



高校生の男の子って、これぐらい注文してペロリと食べちゃうの?



…いやいやいや、絶対食べ過ぎだよね?だって食い盛りの大和でもさすがにこれだけの量は頼まないはず。大和、まだ中3だけど。



そうやってあたしが困惑している中、道留君はウエートレスさんに「続けてください。」柔らかく微笑む。それにウエートレスさんはかぁっと顔を朱に染める。



それを見てムッとなるあたし。今の、なんか、超嫌だった。



道留君食べ過ぎだとか今は置いといて。



頼んだものを顔を染めたまま早口に繰り返すウエートレスさんにモヤモヤしたものが胸に生まれた。



言い終えると、あたしには目も向けず。



道留君だけにペコッと頭を下げて「し、失礼しますっ。」コツコツとヒールを鳴らして走っていったウエートレスさんにさらにモヤッ。



何だろう、この気持ち…。


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