メガネの裏はひとりじめⅠ
身体を捻って、道留君が抱き締めてくれてるようにあたしも道留君をギュッと抱き締め返した。
そんなあたしの行動に道留君の身体がビクッと跳ねたけど気にしない。
あたしが一番気にする周りの人の目も今は気になんない。どうでもよくて、ギュウウウッと道留君を強く抱き締めた。
言った"ごめんなさい"は、デートを台無しにしちゃってのごめんなさい。面倒くさい彼女でごめんねのごめんなさい。
ほんとに道留君が言ったみたいに小さな子供みたいに泣くあたしに「何で泣いてんの?」ぽんぽんと背中を優しく叩きながら聞いてくれた道留君に。
ぐだぐだで途切れ途切れに嗚咽混じりで。自分でもなに言ってるか分からなくなったけど泣いた理由を話したあたし。
そしたら道留君。
「…っ、可鈴のバカ。」
って、あたしの肩に顔を埋めてぼそりと小さな声で言ってくれちゃう。ギュウ…ッと、道留君の抱き締める腕に力が入った。
バカ、なんて言われて、いつもだったら怒るけど。今はそんな気分になれなくて、え?え?と道留君に困惑するだけ。
「…あんま可愛すぎることしないでよ…。」