メガネの裏はひとりじめⅠ



「ヤキモチとか…、やばい。マジで可愛すぎだっつの…。」



余裕のなさそうな道留君の声。ヤキモチ妬いたのに可愛いなんて言って、道留君、嫌じゃないの?



ヤキモチなんか重いって、男の人は嫌がるものなんじゃないの?



現に付き合っていた時、三木が言っていたんだ。[嫉妬とかする女って超重いよな。有り得ねぇ。]ドラマを観ながらむちゃくちゃ嫌そうな表情をしていたのを覚えてる。



だから、ねぇ、道留君。



『…っでも重い、でしょ…?』

「何で?俺、今すんげぇ嬉しいんだけど。」

『っ、』

「重くていいじゃん。可鈴のヤキモチなら大歓迎。」



肩に埋まっていた顔は上がり、こつんと身長差があるから道留君のおでこが上からくっ付いてきた。



キュンとしてドキドキ心臓が煩くて。かぁーっと真っ赤な顔に上目遣いで道留君を見つめる。道留君の表情はどこか照れくさそうで。



道留君が言ってくれたセリフがすっごくすっごく嬉しい。あたしも、今、道留君と同じ気持ち。



――…あぁ、あたし、やっぱり道留君が好き。



「やべっ。嬉しすぎて超にやける。」



なーんて、はにかむ道留君が好きです。


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