メガネの裏はひとりじめⅠ
うふふあははっと笑顔が絶えず道留君とバイトしている妄想は置いておいて。
ウエートレスさんがテーブルの上に料理を並べていってくれる。のはいいけど。やっぱり、その数に唖然。
あたしが注文したドリア。あとは道留君が注文したオムライスにミートスパゲティにグラタン。…多いだろ。
ずらりと目の前に並んだ美味しそうに湯気が立つ料理達。多分、ウエートレスさんもびっくりしてるだろうなー…。
ちらり、料理から瞳を上げたらウエートレスさんと目が合って。「仲良しですね。」予想は外れふんわりと可愛い笑顔を浴びたあたし。
『…え、あ、そう…ですか…?』
「はい♪羨ましいです。」
『…、…えへへっ♪』
羨ましい、だって♪
回りの人から見たらあたしと道留君って、もしかしてとんでもない仲良しバカップルに見えてる?
って、気づくのが超今さらなあたし。
"仲良し""羨ましい"なんて言われて、にやにや顔の筋肉がだらしなく緩む。嬉しいって気持ちが溢れてくる。
にやにやにやにやするあたしと道留君にウエートレスさんは「ごゆっくりどうぞ。」告げるとこの場をあとにした。
あたし、は。あーれ。にやにやが止まらないぞ。にやにや。
「なぁ可鈴、これ超美味い。」