メガネの裏はひとりじめⅠ
『っだって…変じゃない…?』
「変じゃない。」
『恥ずか』
「しくない。」
『…〜、』
「俺は可鈴の横がいーの。仲良しだからいーじゃん♪」
『(…っ、よくないよ…!)』
あ、危ない。
道留君の甘いセリフとニカッと輝いた無垢な笑顔に流されそうになったあたし。
ダメだダメだ。ここは強気にいけ可鈴!
と。
反抗の声を上げようとするあたしをよそに、道留君はまたもきゅもきゅとオムライスを食べ始めてしまう。順調になくなっていくオムライス。
『…、』
やっぱ。このままでいっか、な。
道留君のオムライスを食べる姿を見て何だかそう思えてきちゃったあたし。
道留君が隣に居るのが嫌なんじゃない。ただ羞恥心が邪魔をしているだけで。
ちょっとずつ慣れていかなくちゃダメだな。恥ずかしがってばっかじゃいけないよね。
…って、思いながらも少し照れながら。
いただきます、と手を合わせてドリアを食べ始めたあたしを道留君はクスリと気づかないぐらい小さく笑った。
『…イブうまくいってるかなぁ。』
ぱくっとドリアを口に入れてふっと思うあたし。