メガネの裏はひとりじめⅠ



恋愛経験豊富なイブのことだからうまくはやってると思うけど。相手はあの有名人な巳陵壱翔。



ルックスからしてイブ以上に恋愛経験豊富だろうし。女の子にもすーーーんごく慣れてるだろうし。



へ、変なことされてないかなぁ…?やっぱ気になっちゃうし心配だよぉ…。



もぐもぐと口を動かしながら考えていると、「大丈夫でしょ。」呟いた独り言に返事が返ってきて。



「傷つけたら殺すっつってるし。可鈴の大事な友達だもんね?」

『(道留君…。)』



あぁ、やばい。今のキュン…。



漆黒の髪をふわりと揺らしながらこっちを向いた道留君の柔らかい表情にかぁっと頬っぺたが朱に染まる。



巳陵壱翔に言った言葉はちょっと(かなり?)荒いけど、そんなセリフを言われてときめかない女の子はいないと思う。



超かっこいい顔して超かっこいいこと言うなんて、道留君に勝てる男の子なんか絶対いないって決まったなこりゃ。



キュンキュン高鳴る胸を押さえながらぽーっとまるで心を奪われたような感覚のあたしに。



「赤くなってる♪」なーんて笑いながらスプーンを手に持つ道留君は、頬っぺたをぽにぽにとつついてくる。



そんな道留君にさらにキュンキュンして、照れちゃって。『なってないよぉ…。』ぷーっと照れ隠しにふくれてみた。


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