メガネの裏はひとりじめⅠ
あたしには慣れる、なんて無理なのかもしれない。
照れちゃったり、恥ずかしかったり。そういうのって多分、道留君の所為。ううん。ぜーったいに道留君の所為だ。
だって道留君、漫画の中でしか言わないようなセリフばっかり言うんだもん!
そんなの慣れようと思って慣れるようなものじゃない。無理に等しすぎる。
暫くあたしの頬っぺたで遊んだ道留君は、上機嫌でにこにこと残りのオムライスをお腹に納めていく。
ちょっと。そのにこにこ笑顔が憎たらしい。だってあたしを翻弄させてばっかだから。悔しいや、ほんとに。
あたしも道留君を――…なーんちゃって。無理だよなぁ…。多分、倍返しにされるのがオチ。道留君には勝てそうにない。最強か。
もぐもぐとドリアを食べながら。あ、そうだ♪ぴこーんといいことを思いついた。
『ねぇねぇ道留君っ。』
「ん?」
『質問大会しよ!』
「へ…?」
質問大会?何じゃそらっていう表情を浮かべた道留君。にゃはっ。いきなり言われたらそうなっちゃうよね。