メガネの裏はひとりじめⅠ



今の道留君の発言。あたしのいいようにした解釈、自惚れ。そんなんじゃない、よね?



欲しい物なんか特にないけど。でも、道留君から"おめでとう"が貰えるって、期待してもいいんだよね?


ていうか期待しちゃうよ…。そんなこと言われたら。



キュンとまた一つ、胸が鳴った。



そして再び質問大会。

…なんだけど。道留君から聞かれる質問はあたしが道留君にした質問。あたしが聞いて、道留君が答えて、答えた質問をあたしに返してくる。



『(別、いーけどさぁ…。)』



ちょっと、不服。だって道留君自身があたしに聞きたいって思うことがないってことじゃん?それともあたしと同じ質問ばっか思いついてるのか…。



それなら、と。


ずっと気になってた。何でだろうって胸の奥に小さなわだかまりが出来ていた。今が、聞くチャンス。



『…何で、道留君と壱翔君が生徒会室に入れるの…?』



今まで兄弟はー?好きな食べ物嫌いな食べ物、好きな教科、好きなことは?なーんて、ありきたり単純な質問しかしなかったのに。



いきなり変わったそれに道留君は少し驚いたような表情を見せた。


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