メガネの裏はひとりじめⅠ



何かあったのかな…って心配だけど。今はイブよりも自分の有り得なさにへこむへこむへこむ。思い出しただけで涙腺が崩れてしまう。



『(…ごめんなさい、って言おう…。)』



2限目。英語の授業。何を言っているのかよく分からない先生の英文は、あたしの耳には入ってこなかった。




――――――――…
――――――…
――――…



『…あ、れ…、』



あれから。2限目から時間は経って、学生の本業である授業は終わり、開放感に満たされる放課後を迎えていた。



結局、イブと道留君は今日一日姿を見せなかった。



なにをするにも楽しくなくて。大失敗に終わったデートにタメ息吐いてひたすら落ち込むことで今日をなんとか過ごしきったあたし。



授業は殆ど全部寝るかぼーっとするか。休み時間も授業同様で。



いつもなら一番テンションが上がるお弁当の時間も、イブがいないから寂しく一人で完食。



よく頑張ったな可鈴!って。自分を褒めてやりたいぐらい。超超超ー暇だった一日を乗りきったんだから。


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