メガネの裏はひとりじめⅠ
『(これって…、)』
ギュッてしてくれるのって。今まで通り変わらず話してくれるのって。あたしのために委員会を抜けてきてくれたのって。
まだ、道留君。あたしのこと嫌いではないってこと、だよね…?
そう思ったら瞳からまた雨が降ってきて。
『…っ、ふぅう、』
「え!?…どした?」
ねぇ、自惚れちゃうよ?ほんとにほんとに自惚れちゃうよ?聞いたらちゃんと答えてくれる?あたしが自惚れて思ってること言ってくれる?
『…っみち、る、くん、』
「…ん?なに?つーか何でそんな泣くの。」
焦んだろ。そう言う声は困ったようだけど酷く優しくて。あぁ、もう、あたし自惚れ隊長だ。なんて、あたしは意味不明すぎるけど。
さらにもっとギューッと抱きついた所為で涙が染み込むワイシャツは多分びしょびしょ。ごめんね道留君。
ぽんぽん。あやすように回った手がごく自然に背中を心地よいリズムで叩いてくれるその優しすぎる優しさがだいすき。
とにかく、道留君は宇宙人もびっくりなぐらい優しくて。
『っあ、あたし、す、す、す…っすき、』
道留君は、あたしの一番の人。