メガネの裏はひとりじめⅠ
まるで有り得ないとでも言いたそうなその口調。あたしが聞いたことを思いっきり無視してしまっている返事。
「可鈴、俺、好き…?」
み、道留君…。単語だけになっちゃってるよ…。
ロボットみたいな喋り方で同じ疑問符を繰り返す道留君に何で?あたしの頭の上にもハテナマークがぽわんと浮かんだ。
あたし、道留君が好きだよ。でもまだ気持ちは伝えてないはず。ていうかぜーったい伝えてない。
なのにロボットに変身してしまった道留君が言ったセリフではあたしが道留君を好きなことバレちゃってる。あたしが告白したみたいになっちゃってる。
可笑しい。可笑しいぞ。
どこでこうなったんだ――…と、カラカラ過去に戻ってみるあたし。
カラカラカラカラ〜って戻ってみた、ら。――…ぎゃあ!僅か数分前。自分のセリフが原因だったことが判明。
"っあ、あたし、す、す、す…っすき、"
これだ。
数分前のあたし的には多分道留君にあたしのこと好き?って聞いたつもりだったんだと思う。
けど。
今のあたしもこれを言われたら告白されたと思っちゃう確率120パーセント。