メガネの裏はひとりじめⅠ



ど、同居なんて気が早すぎるよ道留君!大阪の人達もあまりの気の早さにびっくりだよ!…あ、違うか。大阪人は気が早いんじゃなくて短いんだった。



この前テレビで言ってたんだぁ――…、っそ、そんなことよりも!だよ!



不思議そうに「なに赤くなってんの?」コテン、と小首を傾げる道留君は自分が言ったセリフの大胆さや重大さを分かっているのか。



同居ってことは、あたしのママとパパはもちろん。道留君のお母さんとお父さんにも許可を貰わなくちゃいけないんだよ?



住むお家とかもいろいろ探したりしなきゃダメだし…。道留君、いっぱいいっぱい大変だよ?



…ダメダメ。やっぱまだ早すぎる!ていうか、同居以前にもう一回ちゃんと"すき"を伝えることが今のあたしには一番大事なこと。



同居はみ、未来のお話だよ…。



「可鈴ー?」

『…んっ、うえ!?』

「なんかやらしいことでも考えてた?」

『っえ!?ち、違うよ!そんなの考えてないよっ。』

「嘘だ。あっやしー。だって赤くなってたじゃん。」

『そ!それは…、』



道留君が同居のお誘いなんかしてくるからじゃんっ!…とは、大声では絶対言えない。恥ずかしい…。


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