メガネの裏はひとりじめⅠ
ど、どうしよう…。言っちゃ、った…。いや、言うつもりだったけどさ。でもこんな形じゃなくてもっとこうちゃんと言いたかったっていうかー…。
『(勢い、とかありえないー…。)』
後悔、後悔、後悔。あたし、ほんとにアホ、バカ、まぬけ。
もう失敗星人って宇宙人扱いしてくれたっていい。どーぞ呼んでくれ。成功率3パーセントの失敗星人・満芭可鈴です、よろしく。自己紹介とかしちゃうんだからね。
『(…あー、…バカ。)』
さむい。そんな冗談言ってるあたし、ほんとバカ。
自分のおバカ加減には心底呆れる。てか呆れた。
言ってしまったのはしょうがない。取り返しもつかないし、自分はどうしようもないおバカだって自分で罵っておく。
だけど。
『…っひっく、』
道留君に初めて言う"すき"。失敗なんてしたくなかった。だからぽろぽろ。滴が落ちる。
「あちゃー。やっぱ泣いちゃうか。ごめん可鈴。無理やりは嫌だよな。」
ぐすぐす泣くあたしに、道留君は困ったように笑いながら滴を指で拭ってくれる。ごめんな、ってもう一回謝りながら。
…道留君、違うの。