メガネの裏はひとりじめⅠ
『…ゔ、ん。あのき、キス、嫌い。』
「(…あ、今ふつうに傷ついた。マジで傷ついたんですけど。嫌いは痛ぇよ…。すんげぇ痛い。)」
『で、でも、っね、』
ピタリ。急に動きが止まった涙を掬ってくれていた指。
と、一緒に道留君の動き自体(瞬きとか)も止まってしまったような気がする……けど。
気にせずあたしはぽふっ。自分から道留君に身体を預けた。
さっきの息苦しいき、キスは好きには多分なれない、かな。苦しかったし、怖かったし。
でも、あたしは幸せそうじゃないなんて言われるのはちょっと悲しかった。…ううん。いっぱい悲しかった。
あんなき、キス初めてで、怖くて泣いちゃって。だからそう思われてしまったのはあたしが悪いんだけど。
あたし、道留君と一緒にいるだけで幸せなんだよ?だって好きだもん。怖かったけど、幸せな気持ちもあったの。
すでに泣いているのに、もっと泣けてきちゃった理由はこれ。
でもね、と区切った続きの言いたかった言葉は、
『…道留君、は、…すき。』