メガネの裏はひとりじめⅠ
道留君の肩に顔を埋めているから、少し声が籠る(こもる)。
息苦しいき、キスは好きじゃないけど、道留君は好きだよ。だいすきだよって。
恥ずかしくなって顔を見ずに言っちゃったけど、もう一回。言いたくなったんだ。道留君、すき。
と。
言って、数秒後。機能停止?していた道留君の唇からタメ息がはぁーっと一つ落ちた。
そのタメ息に『(え…、)』マイナス思考が途端に働きだすあたしって、何でこういちいち面倒くさい女なんだろう。
言っちゃダメ、だった?あ、身体預けちゃったの重かったから?それともき、キス嫌いって言ったこと…?怒ってる…?
シュンと沈みながらとりあえず道留君がタメ息を吐いた理由としてあがった、預けた身体をもとに戻そうとした――…けど。
「…バカ。反則すぎ。照れるじゃんか。」
"ちう"
埋めていた道留君の肩からもとの体勢に戻すその途中の顔。いや、おでこにそんな甘い音。
一瞬にしてかぁあああっと真っ赤になったあたしが見た道留君は、あたしよりずっとましだけど頬っぺたをぽぽっとピンク色に染めていた。