メガネの裏はひとりじめⅠ
『…許すから、質問してい…?』
「質問?」
『うん』
あたしの"許す"って言葉にパァッと花を咲かせた道留君は、そのあと不思議そうに首を傾げて繰り返すようにそう言い。
あたしがコクンと頷くと、「いーよ?」ニッコリと口許に緩く弧を描きながら笑顔を浮かばせた。
だーけーど、質問を始める前にこの道留君の綺麗な顔がドアップすぎて心臓に悪い体勢から逃れたいあたし。
体勢を変えるのが嫌だと言う道留君に"変えてくれないと許さない"そんな卑怯な手を使って変えてもらい。
それでもどうしてもあたしとくっ付いていたいらしいワガママな道留君。
そんな道留君は嫌がるあたしを向き合う形に胡座をかいた自分の膝の上へとちょこんっと乗せて腰を腕で抱き、恥ずかしさで顔を真っ赤にするあたしに満足そうに笑顔を零していた。
『道留君のバカ…』
「ふふん♪で?質問って何?」
『あ、えっと。何で道留君が生徒会』
――…室に入れたの?
そう続きたかったあたしの言葉は何の前触れもなくガチャッと開いたドアに遮られ。
それに次ぐように「あ、」女の子の声音にしては低すぎる男の子の声が耳に届けられる。
…誰?
ドアの方に道留君が背中を向けてソファーに座っているため、道留君と向き合って座っているあたしからは道留君が壁になって誰が入ってきたかは見えない。