メガネの裏はひとりじめⅠ
キラキラキラキラ。
王子様が纏うオーラが眩しすぎるぐらい輝いていて。そりゃもう宝石みたいにキラッキラ。
ああ、王子様の魅力に吸い込まれちゃいそうだ…。
『…あ、あの…っ、名前、教えて…?』
ドキン、ドキン、と混ざる緊張でさらに大きな音を立てる心臓は煩い。
控えめに――…だけど単刀直入に(どもっちゃったけど)王子様に言ってみるあたし。
言ってみた、ら。
一瞬きょとんとする王子様。
でもすぐにさっきと同じ柔らかい笑みを浮かべれば、涙を拭ってくれた手の人差し指をトン、とあたしの唇に優しく押し当てて。
ばったんと聞くだけで卒倒できちゃいそうな色気たっぷりの声を唇から、「い、や、だっ。」…………はい?
『…っな、何でぇ!?』
王子様の思いもしない予想外な発言。あたしは思わず唇に指を当てられたまま声を上げてしまった。
と、必然的に押し当てられたままであった王子様の指は、唇を開いたあたしの口内へと入ってしまうわけで。
言葉を言い終えて唇を閉ざせばかぷっ。王子様の指食べちゃったよねー。あははー。あははははは。
『――…!』