メガネの裏はひとりじめⅠ



んななっ!



服の中に手を入れて筋肉質なお腹を出しながら呆れた顔をする弟の大和(ヤマト)に言われた"ドタバタ"っていうセリフが聞き捨てならなくて。



あからさまにムッとした表情を浮かべて口を開き、『別にドタバタしてないもんっ!』そう言葉を返してやれば、大和はさらに呆れた顔をしてみせた。



「…してたから言ってんだっつの」



な、生意気…!



今年で中3になって受験生になった大和は特に危機感なんてものは端から見ても分かるぐらい持ち合わせてなく。



昨日も夜は友達の聿愛(イチア)君と遊んでいたのか、それとも中坊のくせに生意気にもちゃっかりと付き合っている大学生の彼女のつぐみちゃんのとこに行っていたのか。



どちらにしても帰りが日付を越える手前寸前で、それが週に5回のペースで繰り返されており。



ちょっと…いやかなり頭が良いからって受験というものをナメている大和。



性格も昔から年子のおねーちゃんを敬うということはせず、悲しくもかなりあたしはバカにされ続けてきた。



…まぁもうそこは開き直って諦めてるんだけど。



それでつまりは何が言いたいかっていえば。



あたしの弟はかなり生意気で大学生の彼女を持ったおねーちゃんを敬うことを知らない受験をナメてる受験生ってことなのだ。


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