ある昼休みの会話
ある昼休の会話


「好きな人が出来ない!!」


この叫びは突然発せられた・・
隣にいる友人、マミによって。


「だからなによ?」


マミの突然発言はいつもの事だけど、
好きな人についてのこういう発言は初めてで。


ため息をつきながらパンを頬張る彼女を見ながら
一つため息をついた。

「だってさ~私達もう高三だよ!?
それなのに好きな人すら出来ないなんて!!」

まだ口に入っていた物を忙しなく噛み、飲み込んでから
興奮しきったように話す友人は一大事なような
言い方で話してくる。

好きな人が出来るってそんなに大事?

学生は学業が本業でしょ?

「悪いけど、私そういうの興味ないから」

だって本当にその通りだもの。


よく話に聞く。

男のことばっかりで勉強に集中出来ないって。

どんだけ男が大事なのよって

世界中で恋している女の子達に叫びたくなってくるわ。


「えーカナちゃん。モテるのに」

「そんな事言われても興味がないものは興味がないの」

「だったらさ、どんな人がタイプなの?」


タイプ?

首を傾げた私に

「やだな、理想だよ、カナちゃんの理想の男の子って
誰?」


さっきまでの興奮の矛先は私へと方向転換したらしく、

さらに距離を縮める。

そんなキラキラした目で見られたって。

「興味ない」

これが私の答え。


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