願い

｢まぢかよ…｣
彼の頭の中は恐怖でいっぱいだった。
｢怖いのとかまぢヤバいって！ってかまぢでなんなの？｣
暗い部屋で彼は動揺を隠しきれなかった。

また暗闇から低い男の声が聞こえてくる。
｢お前のその願いを叶えてやる。ただし人生の半分は頂くがよいか？｣
今さっき言ってた事が叶う？人生半分無くなる？彼は迷いながら聞き返した。
｢オレの人生ってあとどの位、残ってるんですか？｣
当然の質問である。しかし…
｢それは教えられない。明日かもしれないし、８０年後かもしれない。教えたらお前は悩むだろうからな。｣
確かにそうだ。しかしわかってもわからなくても悩むだろう！彼は心の中で叫んだ。
｢さぁ、どうする？そんなに時間はあたえられない。叶えるも叶えないもお前次第だ。｣
彼は悩んだ。しかし
｢どうせ、いつ死ぬかわからないんだ！だったら少しでも楽しんでやる！オレの人生の半分くれてやるから叶えろ！｣
｢叶えてやろう。｣
そう言うと声は暗闇の中に消え、彼は深い眠りについた。