ありのままを君に



向かいから先輩が来た。
予定通り彼女と一緒に。


「ー…っ、」


実際正面から見ると
結構つらい。

好きな人が今、あたしじゃない
女の人と手を繋いで歩いてる。



あんな笑顔、見たことないよ、



ただ呆然と立ってるあたしを
ゆっちゃんがひっぱって家の
裏へと連れてってくれた。



「写真、早く
 撮らなくていいの?」

「…あ」



あたしは必死に涙を
堪えながら、携帯越しに
2人の姿を見た。

最初はツーショットを
撮ろうかと思ったけど、
さすがにそれは見返すとき辛い。


最大限にズームして、
彼女の顔をとらえた。



「…え、」



初めて彼女の顔を
まじまじと見た。



「あれが先輩の彼女…」



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