ありのままを君に
*
朝、外で走ってる先輩を
窓際の席から眺めていた。
グラウンドの周りを走ってる
バスケ部のうしろからは
女子テニスも走っていた。
…吉納先輩、
涙腺が酷いことになってるから、
目がうるむ。
「杏那おはよー…って
どーしたのその顔!!」
「ああおはよ、
メイクじゃどーにも
ならなかったっていう」
今日のあたしの顔は
目は泣きすぎて赤く腫れつつ、
徹夜だからくまが酷い。
で、目は半分も開いてない。
これでもメイクでは
全力を尽くした、つもり。
別にクラスにイケメンとかいないし、
どう思われてもいいから諦めた。
「うわ!!ちょお前
どーかしたの?
酷いぞ顔」
顔をあげると翔がいた。