ありのままを君に




「おい」


ばん

急に頭に激痛がはしった。
セットした髪の毛一気に
ぐちゃぐちゃ。

うしろを振り向くと、
教科書片手にいつもの不機嫌そうな
顔の翔が立っていた。


「いったー!」

「ここ、俺の席
 って何回言えば
 おめーはわかんだよ!」


「あのねえ、
 窓際で先輩が1番
 見えるのはこの席なの、

 って何回言えばわかんの?」


「何回言われても
 わかんねーよ!
 つか先輩先輩まじきもい」


「北高のミスにきもいとか
 言うのありえないから!」



こいつは

岡崎翔太、
ShotaOkazaki


小学校からの付き合い。
簡単に言えば幼馴染。


先輩と違って
うるさくてガキぽいし、

超かっこつけで
スポーツなんてサッカーしか
できないサッカー馬鹿。


いちいちかまってきて
本当うざい!


「今ね、1日の中で
 限りある先輩を眺められる
 時間なの、

 邪魔しないで?」


翔の席は窓際でしかも
先輩を1番見れる特等席。

よりによってこの席が
なんであたしじゃなくて
翔の席なのか!

本当人生って不平等すぎる!、




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