ありのままを君に
そんなことを考えてたら、
クラスがざわつきはじめた。
「え、井元さん泣いてね?」
廊下で井元さんは
顔を両手で覆っていた。
「嘘っ!翔振った系!?」
それを横目に
翔が帰ってきた。
少し暗めの顔で
あたしと目が合った。
「振ったの?」
「うん」
雰囲気的にあたしは
席をたった。
その席に翔が座る。
「…なんで振っちゃったの?
井元さんって言ったらA組の
アイドルだよ?」
「お前に関係なくね」
「なっ..」
翔の一言に少しむっとする。
怒ってる、よね?
翔はいつもいつも告白されると
振って帰ってくる。
さっきみたいにA組のアイドルや
スポーツ系、真面目ちゃん、
タイプがさっぱりわからん。
(てかあたしほどじゃないけど、
告られすぎじゃない?)