ありのままを君に




「岡崎ー、」

「あ?」


ゆっちゃんが翔の
真横に立つ。
ヤケにニヤニヤしている。


「あんたもしかして
 好きな人でもいんの?

 だから他の子には
 見向きもしない、みたいな」

「え、そーなの?」




「…うるせえ」


そう言って翔は席を立つと、
すぐにクラスの男子に
絡まれてしまった。


「おい翔太ー!
 お前井元さん振るとか
 ないだろ」

「てかなんでお前ばっか
 モテてんだよ」




…人の心って本当わかんないよね。


急に泣く人とか
急に怒る人もいる。


その理由は本人にしかわからない。


だから第三者は訳がわからなくて
どうしようもないんだ。


例えば今みたいに急に
機嫌悪くなってどこかへ行ってしまう人、


そんな人を好きだと言う
超美人の女子。


そして、


クールでかっこよくて
彼女なんて作らないと思っていた
大好きな先輩が


放課後女の子と
手を繋いで下校していることー…
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