ありのままを君に




「 どーゆこと…?、 」



放課後、昇降口前で
あたしの目の前には
確かに女子と手を繋いでる
早川先輩の姿があった。



目の前が真っ暗になった。
頭の中は真っ白になった。


あの先輩が、

女子には笑顔ひとつみせない
クールな先輩が


笑顔で女子と手を繋いでる。


ありえない。
ありえないよ。

それはないって。


あたしの声は
もちろんそれは周りからも聞こえた。



「え、あれって早川先輩だよね?
 隣にいるの彼女?」


「嘘!信じられない、
 あたし好きだったのに…」


「あいつも彼女なんて
 作るんだー」



周りには泣き出す子や
その子を必死に慰める子、
先輩を追いかける子とか
いっぱいいた。

あたしはどれにも
入らなかった。

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