【続】婚約者は旦那様♪
将也くんは言葉が続かない私を真面目な顔で見つめる。




「・・・もう大丈夫そうだな」




えっ?




将也くんは小さな声で呟くと、すぐにいつもの笑顔になった。




「達也なら経営学科の部屋にいるから。…早く行ってあげて」



「う、うん!」


私はまた走り出した。













私が去った後・・・




「…達也はいい奥さん見つけたな。うらやましいぜ」




そう言って将也くんが笑ったのは知らない話。














誰もいない、棟の階段を駆け上がっていく。







ねぇ、達也。


婚約してからいろいろあったけど私達、初めてこんなに離れたよね。



でもね離れてやっと気づけたの。


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