【続】婚約者は旦那様♪
「やっと着いたかのぅ…」
そう言いながら髭を生やした年配の男性が出てきた。
この人が・・・・
前当主にして、
みんなが恐れる裏の支配者。
源一郎様ッ――
「「「おかえりなさいやせ!
源一郎様!」」」
部下たちは一斉に頭を下げた。
立派な着物を着て、顔の横には大きな傷の痕。
遠くからでも十分わかる迫力と威厳。
ギラッと鋭い目が光った。
まるで任侠映画の1シーンのような光景。
お付きの人が杖をもらって、1歩前に出た。
「お疲れさまでした。とうさん」
智和さんは軽く1礼した。
「久しぶりじゃ、智和。仕事は順調そうじゃな」
「はい。おかげさまで」