【続】婚約者は旦那様♪
一方、別の場所では――…
「申し訳ありません、マスター」
湯澤は源一郎の前で土下座していた。
源一郎は気に入らない物のように湯澤を見つめながら新しい扇子をいじる。
「まさか、達也様があの場所にいらっしゃるとは・・・・
いえ、すべての責任は私の能力不足でございます」
湯澤は、まさに忠誠心の塊。
主人に仕えるの者の鏡。
だからこそ一際、厳しい源一郎に仕えることができるのだろう。
“パンッ”と源一郎は扇子を閉じた。
「まぁよい。今回の件はお前にとっては酷なことあったしのぅ。
が。
さっきの…達也が言ったことは本当か?」
「・・・・はい。間違いございません」