【続】婚約者は旦那様♪

「―…気に入らんな」


源一郎は窓から晴れ渡る空を
見上げた。








本当に気に入らん。


達也も‥・あの娘も・・・






『いくら積まれようとも別れません』



『大切な人が傍にいれば、そんな茨の道ぐらい超えられる』






そんなの――

だだの思いすごしじゃ。



いつまでも変わらないはずはない。


人はいつか変わる。


結局は嫌になって、金のほうが大切になる。





もし、そうならなくても--




どんなに大切にしていても・・・

どんなに思うとも世界は、現実は無情にも消し去っていく。









「・・・湯澤。次の命令じゃ」



「はっ。マスターのお心のままに」










次は逃がさんぞ。


小娘!










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