【続】婚約者は旦那様♪
「--おや?
騒がしいと思えば、可愛い訪問者ですね」
奥から、この場に相応しくない涼しい声が聞こえた。
この声…
そっと目線をあげる。
「お久しぶり…でございます。優羽様」
「湯澤さん…」
「湯澤様・・・」
湯澤さんは優雅にお辞儀をした。
口元は笑っているが、目は凍てつくように冷たいのは変わらない。
「もうそろそろ、おいでになる頃だと思っていました。
どうぞ。
マスターがお待ちです」
マスターって・・・・・ッ!?
あまりの予想外の言葉に
カズさんと固まってしまった。
源一郎様が待っている--?
その様子に湯澤さんはフッと笑った。