【続】婚約者は旦那様♪
---辺りは静かで、線香の匂いがたちこめる。
私はあるものの前でしゃがんで手を合わせていた。
「優羽。寒くないか?」
達也が上からそっと肩に手を置いた。
確かに今は真冬で、冷たい風が穏やかに吹く。
「ううん。大丈夫だよ」
けど今は心がすごく温かい。
だって・・・
「初めて、“つゆり”さんに出会えたから…」
私はニッコリほほ笑んだ。
あの日、源一郎様が言っていた“つゆり”さんの意味をやっと教えてもらった。