【続】婚約者は旦那様♪


「・・・はい。おじぃ様」


自然と笑みがこぼれた。


周りのみんなも笑顔になっていく。





今までは認めてもらえなかったから言えなかった言葉。


その名を言う度に自分は他人のような気がしてならなかった。



でも今、やっと本当に本条の人間になれたんだと思えた。






「--では、達也様と優羽様のケーキをお持ちしますね」


側に控えていた泉さんが一礼した。




ケーキ!?



「泉さん!私、手伝います!」



ケーキなんて久しぶりだぁ!




そう思ってキッチンに入った瞬間、ケーキの甘い匂いが漂ってきた。



いつもなら幸せになるのに・・・


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