ろうそくの炎
ろうそくは考えました。


もっと炎を大きくしたら、

もっと家が明るくなって、

もっと女の子はよろこぶんじゃないのかな?



ろうそくはいい考えを思い付いた、と炎を大きくしました。


するとろうそくの炎はカーテンにもえうつり、どんどん炎は大きくなっていきました。



あわててろうそくは女の子達と家の外へにげました。


何とかにげだしたものの女の子の帰る場所、思い出がつまった家は無くなってしまいました。



まだ炎がきえていないのに、女の子は家に入ろうとしました。


まわりの大人が女の子を止めると、女の子は目をうるませながらさけびました。



「離して!まだ写真が…中にあるのに……!離してええええぇぇ!!」



ろうそくは何の写真か分かっていました。


むかし、切ない顔をして女の子が話してくれたのです。
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